2005年01月19日

断酒二十日目

 随分身体は慣れてくれた。辛いのは最初の一週間くらいだろうと思っていたが、本当に苦しくなるのは、身体も慣れて、美意識や自制を取り戻し「今の俺ならもう平気だ」と僅かにでも自信を回復し始めてからなのだ。もう、前のようにヤケクソな飲み方などしない。どうしても眠れない明け方に一杯。寒い夜道の一人歩きや、一時間半の電車通勤の友に。連勤明けの開放感や、三日ぶりに熟睡できたときの安堵から。或いは、憂鬱。だけど俺は知っている。一口でも飲んだら終わりだ。ここで折れてしまったら、二度と戻れない。だから、次に酒を飲むときは、本物の覚悟ができてからだ。あらゆるものを拒絶して自分の殻に閉じ籠もり、無限の暗闇の中で孤独な死を待つ。それを受け入れる覚悟ができたときに飲む。それ以外には、いかなる理由(油断や息抜き、刹那主義や自殺)があろうと、飲まない。俺には頼るべき人も無く、自分自身を救う力すら無い。すべての時間を自己嫌悪と憂鬱が支配している。甘い空想を黙殺する。希望を否定する。今の俺を支えているのは、目的でも未来でもなく、自分自身でもなければ、他の誰でもない、飢えと、寒さと、疲労だ。無機的な鎖だ。情けないことだとは思うが、今の俺にはそれしか方法がない。
posted by kawai toshio at 05:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/1635195

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。